甘く見ないで!恐ろしい便秘と病気の因果関係

便秘だからといって、その原因が生活習慣の乱れや腸機能の低下だけだと思うのは危険です。

 

中には重大な病気の症状のひとつとして現れる便秘もあるからです。

 

病気が原因で起こる便秘のことを『症候性便秘(しょうこうせいべんぴ)』といいます。

 

たかが便秘とあなどるなかれ

 

便秘の定義

そもそも、便秘というのは具体的な線引きがあるわけではなく、『排便回数が少なめで本人が不快に感じる』状態を指していいます。

 

ですので、その便秘が病気によるものかどうかは、詳しく検査をしてみるまではわからないのですが、一般的に便秘は生活習慣や運動不足などが原因と思われがちで、『自力でなんとかできる』とわざわざ受診しない人も多くいます。

 

便秘といっても一時的なものだろう』と軽く考えてしまう人もいます。

 

ですが、もしそれが症候性便秘だった場合、放置している間にその原因となっている病気はどんどん進行してしまいます。

 

たかが便秘とあなどってはいけません。

 

急に始まる便秘には要注意
食生活や生活環境が変わったわけでもなく、運動不足な日々が続いているわけでもなく、大きなストレスがあるわけでもない。一般的に考えられる『便秘の原因』に思い当たらず、それまで便秘と無縁だったのに突然便秘が始まった場合、要注意です。

 

急に始まる便秘はなにかの病気のサインである可能性があります。

 

こんな症状に要注意!

 

こんな症状は危険!

病気が原因である場合、便秘以外にもさまざまな症状を引き起こします。

 

症候性便秘にとって元凶は病気であり、便秘はあくまでも症状のひとつなので、その病気の他の症状を併発するのは当然といえば当然です。

 

便秘になった時は、単純に『便秘になった』で終わらせるのではなく、便秘以外の症状がないかどうかも確かめるようにしましょう。

 

また、便秘が治ったのに腹痛が続くなど、症状が治まらない場合も念のため検査を受けたほうが安全です。
⇒ 検査についてはこちら

 

主に見られるのは下記の症状ですが、ほかにも発熱や嘔吐、頭痛などを伴うこともあります。

 

症状1、便秘

便が通過する腸内になにかの障害があって便秘になるパターン。
症候性便秘と呼ばれます。ポリープや大腸がん、腸炎や腸閉塞のほか、過敏性腸症候群である場合も。

 

 

症状2、下痢

腸の粘膜の分泌物が多いと下痢を起こしますが、ただの下痢ではなく、出血があったり便に粘液が混じっていたりすることも。便秘と下痢を繰り返す場合もあり、大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸憩室炎、過敏性腸症候群などが考えられます。

 

 

症状3、腹痛

便秘にともない激しい腹痛がある場合、何らかの疾患をもつことがあります。特に腹痛が数日にわたって続くようなら要注意。
大腸がんや腸閉塞、大腸憩室炎、腸炎、潰瘍性大腸炎などの可能性があります。

 

症候性便秘と気付かずに放っておくと・・

 

症状が悪化する前に

病気を原因とする症候性便秘は、そのまま放置しておくと病気が進行し、取り返しのつかないことになる可能性を大いに秘めています。

 

場合によっては命にかかわり、緊急手術が必要になることもあるため、できるだけ早期発見・早期治療することが大切です。
⇒ 症候性便秘の診断方法はこちら

 

症候性便秘はほとんどの場合、原因となる病気が治ればよくなります。

 

1、ポリープ

腸の粘膜にできる、こぶ状のものです。キノコのように茎の部分がある場合と、イボのようになって茎はない場合に分かれます。
何故ポリープができるのかは諸説ありますが、具体的なことについてはまだ不明です。
ポリープそのものはほとんどの場合、悪性のものではないため、ポリープ自体が命に関わることはありません。また、ポリープができたことによる明確な自覚症状もありません。
ですが、ポリープが便の通過を邪魔して便秘を起こしてしまったり、炎症を起こしてそこから腸炎に発展してしまったり、ほうっておくと悪性化することもあるため、早めに治療したほうが良い病気です。
大きさや個数にもよりますが、小さいうちなら内視鏡治療で切除することができます。

 

 

2、腸炎・潰瘍

腸をはじめ、消化管に炎症や潰瘍ができることで腸が狭くなり、便秘を引き起こすことがあります。また、ひどい腹痛や下痢を起こし、血便がでるケースもあります。
潰瘍性大腸炎やクローン病などがあげられ、免疫抑制薬などの薬物治療がメインですが、状況に応じて患部の切除を行います。
怖いのは、炎症を起こした部分が癒着してしまい、腸が詰まってしまう可能性があることです。

 

 

3、大腸がん

大腸の粘膜にできるがんです。年配の人に多いと考えられがちですが、若い頃に不摂生を続けていると、20代〜30代でもがんになってしまう人もいるようです。一般的にがんは早期発見・早期治療が大きなカギを握ると言われていますが、大腸がんは初期の自覚症状がほとんどありません。
がんが大腸壁の深いところまで届くように進行すると、下痢や便秘、下血などの症状が現れ始めます。
がんも小さいものなら体への負担も少なく切除できますが、大きい場合は開腹手術になることも多くあります。
外科的な治療のほかに、抗がん剤での治療や放射線治療も行われます。
がんを放置すると、どんどん進行して他の場所に転移するなどし、命に関わってきますので、とにかく早期発見して早いうちに治療を始めることが大切です。

緊急手術が必要な場合も!?

 

危険な症状

症候性便秘を引き起こす病気で緊急性の高いものが、腸が詰まってしまう腸閉塞です。

 

腸は、正常な状態だと消化中の食べ物などの内容物が一定の方向に流れていくのですが、なんらかの理由で腸が詰まってしまうとその流れが滞り、そこに溜まってしまうことになります。

 

そうなると便やガスが出ないほか、おなかが張ったり吐き気がするなどの症状が現れます。

 

腸閉塞が起こる原因としては、外科手術後の癒着や大腸がん、腸がねじれてしまう腸ねん転などがありますが、重度の便秘で数週間も便が出ていないような場合、それが原因で腸閉塞を起こすこともあります。

 

腸閉塞は、バルーンを使って腸を広げる治療が行われますが、血行障害が起きた場合は腸が壊死してしまうこともあるため、早急に手術が行われます。

 

最悪の場合、腸が破裂して命に関わることもあり、非常に緊急性の高い病気です。

 

医療機関で受診するための知識はこちら