下剤依存症の治療法

下剤依存症の治療法は?

下剤が効きにくい人・依存症の治療法

便秘の治療には適切な範囲で下剤を使いますが、特に、刺激性下剤(しげきせいげざい)の乱用によって、

 

下剤依存症(げざいいぞんしょう)になっている人は、下剤が作用しにくくなっています。

 

しかし、かといっていきなり下剤を完全に断ってしまうと排便ができなくなり、逆によくありません。
下剤依存症は治さなくてはなりませんが、便を出さないわけにはいかないのです。

 

そうした場合には、刺激の弱い下剤や、別のタイプの薬に変えて治療が行われます。
酸化マグネシウム、坐剤(ざざい)、漢方薬(かんぽうやく)を組み合わせて使いながら、腸本来の働きを取り戻すことを目指すのです。

 

 

酸化マグネシウム

マグネシウムを酸素の中で燃やした時にできるもので、薬以外にもいろいろな用途に使われます。

 

腸の中に存在することで水分を引き寄せて、腸内の便をやわらかくする作用があります。

 

常習性がなく、副作用もほとんどないので妊娠中の便秘に処方されることも。

 

服用する際は水分を多目にとるようにしましょう。

 

重い副作用に陥ることはほとんどないですが、大量のカルシウムと一緒にとると高カルシウム血症が起きたり、骨粗しょう症(こつそしょうしょう)の治療薬であるビタミンD3製剤と一緒に飲むと、高マグネシウム血症の起きるリスクが高まるため、注意が必要です。

 

他の薬の吸収をさまたげることもあるため、他に服薬している人はきちんと医師に伝えるようにしましょう。
また、腎臓の弱い人や人工透析(じんこうとうせき)を受けている人には使えません。

 

高カルシウム血症とは
血液中のカルシウムの濃度が異常に高い状態。
吐き気、腹痛、多尿、便秘などが起こり、重い場合は意識混濁することも。

 

高マグネシウム血症
血液中のマグネシウムの濃度が異常に高い状態。
倦怠感、吐き気、血圧低下、筋肉の硬直などを起こし、重症の場合は死亡することも。

 

 

坐剤

肛門に入れて使う薬です。
坐剤といっても色々なタイプがありますが、下剤依存症の人には主に、溶けて炭酸ガスが出るタイプの坐剤を使います。

 

そのガスが直腸を刺激することで排便を促すもので、直腸性便秘(ちょくちょうせいべんぴ)の人にも効果の望める薬です。

 

頼りすぎるのはよくないですが、医師の指導のもとで適切に使うことで直腸反射(ちょくちょうはんしゃ)が正常になり、自然な便意が起こりやすくなってきます。

 

とはいえ坐剤を使えばすぐにそうした効果が得られるわけではなく、回復するには半年から一年といった、長い時間がかかります。根気よく治療しましょう。
病院で処方されるものとして、レシカルボンなどがあります。

 

 

漢方薬

 

便秘治療に使われる漢方薬の中から、刺激の少ないものを選んで使います。

 

漢方薬の種類や成分はさまざまで、中には大黄(ダイオウ)など強い刺激を与えるものが多く含まれるものもあるため、自己判断で使うのは危険です。
下剤依存の人には、この大黄の含有量が少ないものを使います。

 

 

麻子仁丸(ましにんがん)

 

小腸に働きかける麻子仁(マシニン)という生薬(しょうやく)が主な成分の漢方薬です。
麻子仁は水分を保つ働きがあり、便の水分が少なく、コロコロした便が出るという人に向いています。

 

副作用が少ないので、体力の低下した人にも使えますが、妊娠中の人には使えません。

 

というのも、量が少ないとはいえ大黄が含まれており、大黄には子宮を収縮させる作用があり、流産の可能性があるからです。
市販されてもいますが、必ず医師の指導を受けてから使うようにして下さい。

 

 

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

 

芒硝(ボウショウ)という、小腸に作用する成分を中心に、甘草(カンゾウ)、滑石(カッセキ)など、18種類の生薬を含んでいます。

 

大黄も含まれていますが、代表的な便秘用漢方薬である大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)の四分の一の量と、少量に抑えられています。
それゆえ副作用の心配はあまりありませんが、発汗作用があるため人によってはたくさんの汗をかくことがあります。

 

 

下剤が効かない人が服薬する際の注意点

 

依存症などで下剤が効きにくい方が薬を使用する際は、必ず医師の指導を受けて使うようにして下さい。

 

これらの薬は処方薬としてだけでなく、一般の薬局で市販されていることもありますが、自己判断で誤った使い方をすると、回復するどころか治療のさまたげになってしまいます。